[トラごんの旅行医学]北アフリカで注意すべき病気(モロッコ、リビア、チュニジア、アルジェリア)

こんにちは、トラごんです。

今日は北アフリカ(モロッコリビアチュニジアアルジェリア)で注意すべき病気を紹介します。

特にモロッコは日本人旅行者も多く訪れる場所です。他のアフリカ諸国に比べたらまだリスクは少ないですが、以下の文章や外務省安全情報などをご覧になり、注意するようにしてください。

 

医療機関が不十分である地域が多く、万が一の場合は治療費はもとより、ヘリコプター等で病院まで行くことも予想され、その場合は数千万円の費用がかかります。

ぜひ、クレジットカードの付帯保険とは別に、海外保険への加入を強く強く、お勧めします。

 

なお、この記事は厚生労働省等のHPを参考にしています。

www.forth.go.jp

 

 全域で注意すべき病気

食中毒

(細菌性赤痢A型肝炎、腸チフスサルモネラカンピロバクター感染症コレラアメーバ赤痢ジアルジア症ランブル鞭毛虫症]など)

アフリカは基本的に気温が高く、また衛生状態もよくないので、食中毒がたびたび発生しています。食品がしっかりと加熱されているか確認してください。

また、A型肝炎の予防のため、ワクチン摂取をお勧めします。

ブルセラ症(特に地中海沿岸地域)

ブルセラ菌に汚染された乳製品が感染源です。安全性に注意してください。

ブルセラ菌に汚染された生乳や乳製品(自家製チーズ等)の摂取により感染が起こっています。安全性の確認されているものを食べましょう。主な特徴は不明熱で、午後~夕方に発熱し、朝には解熱・発汗という間欠熱が一時的な軽快を伴いながら繰り返します。ヒト用ワクチンは実用化されていません。治療は、ドキシサイクリン+ゲンタマイシンorリファンピシン、もしくはドキシサイクリン+ゲンタマイシン+リファンピシンの2剤/3剤併用療法で行います。 

エキノコックス

エキノコックスは感染しているイヌ科の糞便等に含まれている寄生虫卵が原因です。ワクチンや予防薬はありません。特に衛生状態が悪い地域では、イヌ科の動物に近付かないようにするだけでなく、食品も汚染されている可能性がありますので、十分加熱された食品を食べ、水も煮沸させてから飲みましょう。

潜伏期間が長いですが、発症すると特に肝臓や肺に病巣をつくり、機能障害を起こします。手術ができれば良いですが、不可能の場合はアルベンダゾールを用いて化学療法を行います。なお、本邦ではキタキツネ経由で感染することが多いです。

エストナイル熱

主にイエカが媒介します。治療法や予防薬はなく、治療は対処療法です。肌を露出する格好は避け、昆虫忌避剤を使用することが大事です。

8割は不顕性感染(症状が出ない)ですが、発症すると、発熱、頭痛、背部痛、筋肉痛、筋力低下、食欲不振がみられます。また、半数程度の頻度で皮膚発疹がみられます。特に高齢者は重症化しやすいので注意です。

リーシュマニア症

媒介するサンチョウバエは夜間に活動するため、夜間外出は控えるようにして下さい。また、蚊の1/3ほどの大きさなので、通常よりも網目の小さい蚊帳を使うとともに、虫除け(ディート配合)を蚊帳、カーテン、シーツ等にも散布して下さい。また、このサンチョウバエは自らは飛べず、風に乗って移動するので、二階以上の部屋に滞在するのも対策の1つです。

リーシュマニア症は皮膚、粘膜皮膚、内蔵と3つのタイプがありますが、アルジェリア等では特に皮膚リーシュマニア症の頻度が高いです。エチオピアでは鼻、口、咽頭の粘膜が破壊される皮膚粘膜リーシュマニアが特徴的です。他のアフリカ東部諸国(エチオピア含む)では、不規則な発熱や体重減少、肝脾腫、貧血等を特徴とする内臓リーシュマニアが特徴的です。

地中海紅斑熱(ボタン熱)

リケッチア(北アフリカ地域ではR.conoriiという種類)によって、ダニ等の節足動物を介して感染します。ワクチンはありません。特に農林地で作業する時は虫除け(ダニ忌避剤)を使用したり、長袖を着用したりして下さい。発熱、発疹、挿し口が特徴的な症状で、一般的にテトラサイクリン系の薬で治療します。

住血吸虫症

河川や湖沼といった淡水中にいる住血吸虫によってかかります。予防薬やワクチンはなく、ナイル川などの河川や湖沼に入らないことが大切です。(現地の人は漁などで入っていますが真似したらだめです。)どうしても入らなければならない時はゴム手袋やゴム長靴を着用してください。プールや海へは入っても大丈夫です。お風呂用の水は沸騰させたり、1-2日あけて使用してください。

住血吸虫の種類によって症状は異なりますが、ビルハルツ住血吸虫症だと、痒みを伴った皮膚炎を起こしたり(ないときもある)、頻尿や血尿が急性期にみられます。マンソン住血吸虫だと、4週間以上の潜伏期間を経て、発熱[片山熱]、じんましん、下痢、肝臓や脾臓の腫れ、せきなどの急性期症状がみられます。治療はプラジカンテルを用います。

狂犬病

発症したらほぼ100%死にます。流行地域(イヌだけでなくサル等のあらゆる哺乳類が感染し得る)で滞在地近くに医療機関がない人や動物研究員等は必ず予防接種をして下さい。

ただ、ワクチンは高く、イヌは普通ヒトを噛もうとしてきませんので、各自リスクマネジメントをお願いします。

 

アルジェリアで注意すべき病気

マラリア

アフリカ、オセアニア、東南・南アジア(農村地中心)が主感染地域。媒介するマラリア蚊は夜間に活動するため、夜間外出を控えたり、蚊帳を使用することが大事。ただ、蚊帳は破れていたりすることも多いので注意。長袖長ズボンの着用、ディート(濃度30を推奨)などの虫除けで対処しましょう。

予防薬(メフロキン等)があり、トラベルクリニック等で購入できますが、継続的な服用が必要です。また、旅行先がへんぴな際は、医療機関によって治療薬を処方してもらうこともできます。マラリア原虫の種類にもよりますが、周期的な高熱が主症状。悪寒、冷汗、頭痛、筋肉痛、意識障害などの症状も。渡航中、あるいは帰国後2週間以内(一週間後が多い)に高熱が出た場合は即刻医療機関を受診してください。遅れると重症化したり慢性化します。(特に熱帯熱マラリアの場合は一刻を争います)治療は、アルテミシニン併用療法を行います。

水道水情報

水道管や貯水槽などに問題がある場合があるので、ミネラルウォーター飲用ないしは煮沸水を飲むようお勧めします。