[トラごんの旅行医学]西アフリカで注意すべき病気

こんにちは、トラごんです。

今回は西アフリカ(カーボヴェルデ、ガーナ、ガンビアガンビアギニアギニアビサウコートジボワールシエラレオネセネガルトーゴ、ナイジェリア、ニジェールブルキナファソベナン、マリ、モーリタニアリベリア)で注意すべき病気です。

アフリカは衛生状態が良いとはいえないばかりではなく、長期滞在となりやすい場所です。

 

医療機関が不十分である地域が多く、万が一の場合は治療費はもとより、ヘリコプター等で病院まで行くことも予想され、その場合は数千万円の費用がかかります。

ぜひ、クレジットカードの付帯保険とは別に、海外保険への加入を強く強く、お勧めします。

 

以下の記事等を読み、皆さん対策をお願いします。

なお、この記事は厚生労働省等の記事を参考にしています。

www.forth.go.jp

黄熱病

アフリカに行くなら、黄熱病をまず知っておいてください。

主にネッタイシマカという蚊が媒介する病気で、致死率は20%にものぼります。治療法はまだなく、対処療法なので、ワクチンを接種することが大事になります。ちなみに、ワクチン接種が可能な場所は限られており、予約が必要です。詳しくは以下の厚生労働省のリンクをご覧ください。

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出典:WHO | Archive of yellow fever maps

発熱や頭痛で始まり、軽症だと1-3日で回復しますが、重症だと黄疸・出血傾向・蛋白尿などの症状が現れます。

ワクチンを接種して、イエローカードという接種歴証明書がないと、入国できないことがあります。持っていない場合は医務室に連れて行かれてその場でバンバン打たれることも。

他にも、インド等では黄熱病発生国経由で入国する場合はイエローカードの提示を求められる場合があるなど、注意が必要です。

詳しくは以下のリンク等で確認してください。

www.forth.go.jp

西アフリカ全域で注意すべき病気

食中毒・旅行者下痢症

(細菌性赤痢A型肝炎、腸チフスサルモネラカンピロバクター感染症コレラアメーバ赤痢いちごゼリー状の便が出て肝膿瘍や大腸炎といった合併症を起こす、ジアルジア症ランブル鞭毛虫症]:10日以上軟便 など)

アフリカは基本的に気温が高く、また衛生状態もよくないので、食中毒がたびたび発生しています。食品がしっかりと加熱されているか確認してください。

A型肝炎のワクチンは接種をお勧めします。また、現地では薬も手に入りにくいので、整腸剤等をもっていった方がいいです。

マラリアモーリタニア等北部の一部除く)

アフリカ、オセアニア、東南・南アジア(農村地中心)が主感染地域。媒介するマラリア蚊は夜間に活動するため、夜間外出を控えたり、蚊帳を使用することが大事。ただ、蚊帳は破れていたりすることも多いので注意。長袖長ズボンの着用、ディート(濃度30を推奨)などの虫除けで対処しましょう。

予防薬(メフロキン等)があり、トラベルクリニック等で購入できますが、継続的な服用が必要です。また、旅行先がへんぴな際は、医療機関によって治療薬を処方してもらうこともできます。マラリア原虫の種類にもよりますが、周期的な高熱が主症状。悪寒、冷汗、頭痛、筋肉痛、意識障害などの症状も。渡航中、あるいは帰国後2週間以内(一週間後が多い)に高熱が出た場合は即刻医療機関を受診してください。遅れると重症化したり慢性化します。(特に熱帯熱マラリアの場合は一刻を争います)治療は、アルテミシニン併用療法を行います。最近は薬剤抵抗性のものも出ており、尚更の注意が必要です。

住血吸虫症

河川や湖沼といった淡水中にいる住血吸虫によってかかります。予防薬やワクチンはなく、流行地域で河川や湖沼に入らないことが大切です。(現地の人は漁などで入っていますが真似したらだめです。)どうしても入らなければならない時はゴム手袋やゴム長靴を着用してください。プールや海へは入っても大丈夫です。お風呂用の水は沸騰させたり、1-2日あけて使用してください。

住血吸虫の種類によって症状は異なりますが、ビルハルツ住血吸虫症だと、痒みを伴った皮膚炎を起こしたり(ないときもある)、頻尿や血尿が急性期にみられます。マンソン住血吸虫だと、4週間以上の潜伏期間を経て、発熱[片山熱]、じんましん、下痢、肝臓や脾臓の腫れ、せきなどの急性期症状がみられます。治療はプラジカンテルを用います。

髄膜炎菌性髄膜炎

乾季(12ー6月)に多いです。治療しなければ確実に死に至る病気です。流行地域に行く人はワクチンを打ちましょう。ヒトからヒトへ飛沫感染を起こします。

高熱、出血班、関節炎といった症状の後、髄膜炎に発展します。激症型の場合突然発症し、ショックに陥ります。

狂犬病

発症したらほぼ100%死にます。流行地域(イヌだけでなくサル等のあらゆる哺乳類が感染し得る)で滞在地近くに医療機関がない人や動物研究員等は必ず予防接種をして下さい。

ただ、ワクチンは高く、イヌは普通ヒトを噛もうとしてきませんので、各自リスクマネジメントをお願いします。

ラッサ熱

危険度は高く、シエラレオネが最も罹患率が高いと言われていたり、ナイジェリアでも2019年にアウトブレイクが起きたりと、要注意のウイルス性の出血性感染症です。

マストミスという野ネズミの糞尿に汚染された食物を食べたり、物品に直接触ったりすることで感染します。また、体液によって、ヒト-ヒト感染も起こります。十分加熱された食品を食べる等の対応が必要です。基本的にインフルエンザ様の症状が起こります。

デング熱

東南アジア等からの帰国者が年200人ほどかかっていいます。ネッタイシマカヒトスジシマカによって媒介され、ヒトからヒトへの感染はなく、感染者を吸血した蚊が他のヒトを吸血することによってうつります。

2~7日の潜伏期間の後、発熱、頭痛、後眼部痛、筋肉痛、背部痛などの症状がでて、その後発疹(点状出血班)が出現し、一週間程度すれば回復しますが、重症化すると血漿露出や出血傾向を示すようになるので注意です。まだワクチンはなく、輸液や解熱鎮痛剤(アセトアミノフェン)で治療します。

フィラリア

蚊(ハマダラカ、イエカ、ヤブカなど)が媒介し、糸状線虫という寄生虫によってかかる病気です。ワクチンや予防薬はなく、蚊に刺されないようにすることが大切です。

急性期は悪寒や戦慄を伴う発熱を起こしたりしますが、症状は出にくいため、ほとんどの人は気づきません。重症化するとリンパに異常をきたし、リンパ浮腫を生じたりします。駆虫薬(ジエチルカルバマジンなど)や、場合によって摘出手術で治療します。

チクングニア熱

ネッタイシマカヒトスジシマカという蚊が媒介します。予防薬やワクチンはなく、虫除けが唯一の予防法です。肌を露出する格好は避け、昆虫忌避剤を使用しましょう。治療法はなく、解熱鎮痛剤(アセトアミノフェン)で対応します。(対処療法)

数日~一週間前後の潜伏期間を経た後、発熱、関節炎・痛(特に四肢対称性)、発疹(約8割の頻度)等が起きます。他に、結膜炎や神経系の症状、あるいは出血傾向を示すこともあります。

トリパノソーマ症[アフリカ睡眠病]

トリパノソーマという寄生虫によって引き起こされ、ツェツェバエが媒介します。予防薬、ワクチンはないので、刺されないように虫除け対策をすることが大切です。

発熱、頭痛、筋肉痛などの症状の後、眠気や激しい頭痛、錯乱、歩行困難といった神経症状が現れます。死亡率は高く、治療しなければ数ヵ月から数年で死亡します。抗トリパノソーマ薬で治療します。

リーシュマニア症

媒介するサンチョウバエは夜間に活動するため、夜間外出は控えるようにして下さい。また、蚊の1/3ほどの大きさなので、通常よりも網目の小さい蚊帳を使うとともに、虫除け(ディート配合)を蚊帳、カーテン、シーツ等にも散布して下さい。また、このサンチョウバエは自らは飛べず、風に乗って移動するので、二階以上の部屋に滞在するのも対策の1つです。

リーシュマニア症は皮膚、粘膜皮膚、内蔵と3つのタイプがありますが、エチオピアでは鼻、口、咽頭の粘膜が破壊される皮膚粘膜リーシュマニアが特徴的です。他のアフリカ東部諸国では、不規則な発熱や体重減少、肝脾腫、貧血等を特徴とする内臓リーシュマニアが特徴的です。

オンコセルカ症[河川盲目症]

回旋糸状虫という寄生虫によってかかり、ブユによって媒介されます。ワクチンや予防薬はなく、ブユが多い場所を避けて宿泊し、虫除け対策を講じてください。この病気は減少の一途をたどっており、2025年までには撲滅できるとの報告もありますが、それまでは注意してください。

激しい痒みや発疹、丘疹が主症状ですが、重症化すると失明を引き起こしたりします。駆虫薬(イベルメクチン)や摘出術で治療します。

蠅蛆症

ハエの幼虫に寄生されてかかります。夏場、成虫もハエにウジを産み付けられないよう、手で追い払ってください。眼に産みつけられたら最悪失明します。治療薬はありません。サングラスを着用するのも手です。

目の中に入ったら産卵されている危険性が高いです。万が一産卵されたら手でこすらずに水で洗い、すぐに病院にいきましょう。

ナイジェリアで注意すべき病気

ポリオ

追加接種をお勧めします。

有効な治療薬はなく、ワクチンによって予防することが最も重要です。日本人はほぼ乳児期に予防接種を受けていますが、昭和40-42年生まれの人、4種混合ワクチンの定期接種を終えていない人、4週間以上の長期滞在者、これまでに一度もワクチン接種を受けていない人はOPV(生ワクチン)投与を受けることをお勧めします。

90%以上は不顕性感染(感染しても症状が出ない)、約5%が不全型(かぜのような症状)、約1%が非麻酔型(不全型の症状+無菌性髄膜炎を呈するが麻痺はない)、約0.1%が麻酔型(1-2日の風邪症状後、解熱前後に四肢に弛緩性麻痺が現れる。最も重篤で5割の患者に永続的後遺症が残る。)です。

水道水情報

水道水は飲まないでください。ミネラルウォーターを飲用するか、煮沸して使用してください。上水道システムが都市部でも発達していないところがあり、不衛生な水の中メジナ虫(ギニア虫)がいることがあるためです。